顧問の責任の範囲ってどこまでなのでしょうか。
車いす陸上・佐藤友祈選手が陸上部顧問6人を刑事告訴 パリパラ前の練習中に事故 岡山市(KSB瀬戸内海放送) - Yahoo!ニュース
パリパラリンピックで2つのメダルを獲得した車いす陸上の佐藤友祈選手。大会前、岡山市で練習中に陸上部の高校生が押していた台車と接触しけがをしたとして、陸上部の顧問を刑事告訴したことが分かりました。
佐藤選手の代理人弁護士によりますと2024年7月、佐藤選手が岡山県総合グラウンドで練習していたところ、陸上部の高校生数人が高跳び用のマットを台車に載せて佐藤選手の前を横切りました。その際に競技用車いすで走行中の佐藤選手と接触し、佐藤選手は転倒。頭や左肩を打撲したということです。
(後略)
えー、こんなのまで監督責任が問われるのか?と思いました。しかし、時事通信の記事は少し状況説明が違います。
パラ陸上の佐藤が刑事告訴 練習中の接触事故で(時事通信) - Yahoo!ニュース
佐藤によると、7月12日に岡山市内の陸上競技場で佐藤が競技用車いすで走行していたところ、ふざけあいながらトラックを横断しようとした岡山商大付高陸上部の部員と接触。転倒して頭と左肩を打撲するけがをした。佐藤は顧問が部員の監督や事故防止に留意すべき業務上の注意義務を怠ったと主張した。
「ふざけあいながら」と表記しているのは他には山陽放送のサイトくらいですかね。
監督責任ですか…難しいですよね。確かに学校教育の一環たる部活動においては、監督責任が問われそうです。しかし一方で、高校生であれば周囲の状況を判断した行動は取れるわけですから本人の責任と言えなくもありません。だって公道では高校生だろうが成人だろうが賠償責任は生じますからね。ただインタビューに答えたこのパラ選手、「利用マナーが徹底されることを願う」とコメントしているわけで、これは生徒に対して言っているのか、それとも「教員、ちゃんと躾けろよ!」という気持ちなのか。ただ顧問を告訴したわけだから後者なのでしょう。つまり怒りの矛先を、世間のサンドバックたる教員に向けたと言えなくもない。張本人である生徒を告訴したりした日には「学生を告訴するとかあり得ないだろ!」と佐藤選手が世間から逆にバッシングされる可能性もあるわけで、イヤな言い方をすれば「批判をしても逆らわず、且つ世間からの非難も浴びにくい」相手を選んだとも言えます。
おそらくこの事故の扱いは賛否が分かれると想定されます。ネットではおそらく、どちらかの側に立った感情論も渦巻くでしょう。あとは司法の判断を仰ぎましょう。これでも教員の責任が問われたら、何をしても教員が悪くなります。全国の教員は一斉に部活を手放すべきです。人生賭けてまでやるものではありません。